「特別なことはしてないんです」

家城さんに美味しい桃をつくる秘訣をたずねると、家城さんはこう答える。

しかし、事実と、家城さんの桃を買うために遠くから車を走らせてきてくれるお客さんも多い。

海へと続く斜面にある家城さんの農園には、夏の太陽がさんさんと降り注いでいる。「桃を美味しくしてくれるのは、このお日様なんです。」と木漏れ日の中で教えてくれる。「光をきちんと届けるために剪定をしたり、冬には雪の重さで木が折れないように支柱を立てて木を守ったりもします。」

直売所で売られているのは、その日の朝採れたばかりのもの。「やっぱり、木で熟した桃を採れたてで食べるのが美味しいから、その日のうちにお客様のところに発送しています。」

「何もしていない」という家城さんの桃が美味しいのは、家城さんが、一つ一つを丁寧に積み上げてきたことの当然の結果だったのだ。

「お客さんと作り手が、思いを共有することが大切。共感できる農業をしたい。」白岩さんのフルーツづくりにかける想いである。

そんな想いは、主力のぶどう畑にも表れている。「うちのぶどうは、低いところに実をつけるように栽培しています。」通常、人の頭の上に実るぶどうが、ここでは30㎝〜40㎝ほどの高さで大きな実をつけていた。これは、ワイン用のぶどうを作るのと同じ方法で、より味の濃いぶどうを作ることができるという。

白岩さんの畑では、肥料を極端に減らして栽培しているのも美味しさの秘訣だ。

「肥料に頼らず、ぶどう自身の力で育とうとするから、強くて味が濃くなるんです。収穫してから傷みにくいのも特徴です」

この木の高さは、もう一つの利点があった。お客さんが収穫体験にきた時に、子供でもちょうど手の届くところにあるから、収穫の楽しさを分かち合える。まさに“共感できる農業”が実現している。

くみはまSANKAIKANは、地域の農家さんがとれたての野菜や果物を販売する直売所として地元だけでなく、観光で丹後を訪れる方にも人気のスポット。

このシーズンの目玉はやっぱり、店頭に並ぶ、スイカ、メロン、桃。

気軽に体験できるメロン狩りも人気だという。

「メロン狩りに参加してもらったら、たくさんの発見がありますよ。例えば、美味しいメロンを作るために、一本の木に、メロンは一個だけしか実らせないこと、にはみなさん驚かれます。売り場では、食べ頃のメロンの見分け方もお伝えしています。」とスタッフの中岸さん。

フルーツジュースで使っている素材はすべて地元のものです。」

メロンのフレッシュジュースは、ミルクの優しい甘さと口の中に広がるメロンのみずみずしい香り。まるで、メロンの一番美味しい部分にかじりついた時のような錯覚を覚えるほど。

「思い出に残るような旅をしてほしい。」

駅は、旅をする人が最初に訪れるところ。久美浜駅はこれから始まる旅をもっとワクワクさせてくれる場所です。

一方、駅は、久美浜の旅の締めくくりとなる場所でもあります。帰りの列車を待つひと時に久美浜のおいしいフルーツを使ったスイーツを注文すれば、楽しい思い出をもう一つ増やしてくれます。

「私たちは、旅をする人のためのカフェでありたいので、使う素材は久美浜や丹後の素材にこだわって、鮮度や美味しさの面でも“ここに来ないと味わえないもの、体験できないこと”をご提供します。久美浜駅を旅する人にとって、この旅が思い出に残るような旅だったらいいなと思います」

使い込んだ古材が使われているインテリアは、オーナーの丸山夫妻のハンドメイド。椅子や看板も古材を使って一つ一つ手作りで作られています。

「駅は旅が始まる特別な場所なので、空間や雰囲気も大切にしたいと思って作りました。」

久美浜産のフルーツと旅のワクワクが楽しめるカフェから旅を始めてみませんか？